性病検査の頻度はどのくらい?定期的に受ける目安を状況別に解説

性病検査の頻度はどのくらい?定期的に受ける目安を状況別に解説

「症状がないから大丈夫」と思いつつも、性病検査をどのくらいの頻度で受けるべきか悩んでいませんか。性感染症は自覚症状が出ないことも多く、気づかないうちに感染していることがあります。※

✓ この記事でわかること

この記事では、パートナーの有無や性行為の状況ごとに、性病検査を受ける頻度の目安を解説します。PrEPを服用している人の定期検査や、リスクのある行為の後に検査を受ける時期も紹介します。

目次

性病検査はどのくらいの頻度で受ける?性行為の状況ごとの目安

性病検査はどのくらいの頻度で受ける?性行為の状況ごとの目安

性病検査(性感染症検査)を受ける頻度は、決まったパートナーがいるか、性行為の状況はどうか、といった個々のリスクによって変わります。

性感染症は症状が出ないことも多くあります。※ どのような状況で、どのくらいの頻度で検査を受ければよいのか、米国疾病予防管理センター(CDC)などが示す目安を紹介します。

まず前提:13〜64歳は少なくとも1回はHIV検査を

米国CDCは、13歳から64歳までのすべての人が、少なくとも1回はHIV検査を受けることを勧めています。※ 早期にHIV感染症を診断し、早期に治療を始めることで、エイズの発症を防ぎ、本人の予後を改善できます。治療によって性交渉による他者への感染も防ぐことができます。※

まずはご自身の健康状態を知る第一歩として、一度HIV検査を受けてみてください。

決まったパートナーとだけ性交渉をしている場合

決まったパートナーとだけ性交渉をしている場合でも、お互いの感染状況を一度は確認しておくことが大切です。

過去の性交渉によって、気づかないうちに性感染症に感染していることがあります。米国CDCも、お互いだけと性交渉をしているカップルであっても、2人とも自身のHIVの状態を知っておくべきだとしています。※

その後も、何か気になる症状や不安なことがあれば、その都度検査を検討しましょう。※

新しいパートナーや複数のパートナーがいる場合

新しいパートナーができた人や、複数のパートナーがいる人には、定期的な検査の目安が示されています。米国CDCは、性的に活動的な人に対して、以下のような検査頻度を勧めています。

  • 25歳未満の女性:毎年、クラミジアと淋菌の検査を受ける。※
  • 25歳以上の女性:新しいパートナーや複数のパートナーがいるなど、リスクが高い場合は、毎年クラミジアと淋菌の検査を受ける。※
  • 男女共通:前回のHIV検査の後に複数のパートナーがいた人は、少なくとも年に1回はHIV検査を受ける。※

男性と性交渉をする男性(MSM)の場合

日本のHIV感染症は、男性と性交渉をする男性(MSM)を中心に拡大しており、対策が必要なグループ(key population)に位置付けられています。※ 米国CDCは、MSMにはより頻繁な検査の目安を示しています。

推奨される定期検査の目安は、以下のとおりです。

  • HIV:少なくとも年に1回。性的に活動的なゲイ・バイセクシュアル男性は、3〜6か月ごとのより頻繁な検査が有益な場合があります。※
  • 梅毒、クラミジア、淋菌:少なくとも年に1回。複数または匿名のパートナーがいる場合など、リスクが高い場合は3〜6か月ごとの、より頻繁な検査が勧められています。※

また、米国CDCは、クラミジア・淋菌については性交渉で接触した部位(尿道・直腸・のど)の検査を勧めています。※ ご自身の状況に合わせて、どの検査をどのくらいの頻度で受けるべきか、医師に相談してみましょう。

ゲイのアナルセックスで気をつけたい性感染症や、HIVの予防・検査については、こちらの記事で解説しています。
>>ゲイのアナルセックスで気をつけたい性感染症|HIV感染リスクと予防・検査を医師が解説

妊娠がわかったとき

妊娠がわかった人は、早い時期に性感染症の検査を受けることが勧められています。性感染症の中には、妊娠中や出産時、母乳を介して母親から赤ちゃんに感染するものがあります。※

米国CDCは、妊娠中の人が早い時期から以下の検査を受けることを勧めています。※

  • 梅毒
  • HIV
  • B型肝炎
  • C型肝炎

症状がなくても定期的に検査を受けたほうがよい理由

症状がなくても、性感染症に感染していることがあります。症状がなくても定期的な検査が勧められるのには、大きく2つの理由があります。

  • 性感染症は症状が出にくい性質がある
  • 気づかないうちにパートナーへうつしてしまうことがある

ご自身と大切な人を守るために、なぜ無症状でも検査が必要なのかを知っておきましょう。

性感染症は症状が出ないことが多い

性感染症は、感染していても症状が出ないことが多くあります。※ 特に、以下のようなケースでは症状を自覚しにくいため注意が必要です。

  • 女性のクラミジア感染症:女性の場合、クラミジアに感染しても症状が出ないことが多くあります。※
  • のど(咽頭)や直腸の感染:オーラルセックスやアナルセックスによる、のどや直腸への感染も症状が乏しいため、本人が気づかないうちに他者への感染源となっている場合があります。※

また、一度症状が出ても、感染力があるまま症状が消えることもあります。※ このように「症状がない=感染していない」とは限らないため、定期的な検査がご自身の健康を守る上で大切です。

気づかないままパートナーにうつしてしまうことがある

症状がないためにご自身が感染に気づいていないと、意図せずパートナーへ病気をうつしてしまうことがあります。厚生労働省も、感染した人が気づかないままパートナーにうつしてしまうことがあると注意を促しています。※

感染がわかった場合は、すべての性感染症において、パートナーへの告知とパートナーの同時治療が重要とされています。※

性感染症にかかったことがある人はHIV検査も

梅毒などの性感染症によるただれや皮膚の傷があると、HIVが体に入りやすくなる可能性があります。※ 国立の専門機関の診療ハンドブックでも、性感染症の既往がある場合はHIV検査が勧められるとしています。※

過去に何らかの性感染症にかかった経験がある人は、症状の有無にかかわらず、一度HIV検査を受けておくと安心です。

梅毒がある場合にHIVに感染しやすくなる理由や、両方をまとめて調べる方法は、以下の記事をご覧ください。
>>梅毒とHIVの関係とは?感染しやすくなる理由と同時感染、両方をまとめて調べる方法

PrEPを服用している人は定期的な検査が前提

PrEPを服用している人は定期的な検査が前提

PrEP(曝露前予防)を服用するなら、定期的な検査はセットで考える必要があります。日本エイズ学会の手引きでは、PrEP服用中はHIV検査と性感染症の検査を定期的に受けることが示されています。※ 医師のもとで定期的に健康状態を確認することが、PrEPを続けるうえでの前提です。

PrEP服用中は少なくとも3か月ごとにHIV検査

PrEP服用中は、HIVに感染していないことを確認するため、少なくとも3か月ごとにHIV検査を受けます。※ 日本エイズ学会の手引きでは、PrEP服用中の具体的な流れとして以下が示されています。※

  • PrEP開始後1か月:HIV検査などのフォローアップ
  • 以降3か月ごと:フォローアップとHIV検査

「オンデマンドPrEP」の利用者も、3か月おきの検査を受けることが強く推奨されています。※ PrEPを続けるためにも、定期検査は必ず受けるようにしてください。

必要なときに飲むオンデマンドPrEPの服用方法は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
>>オンデマンドPrEPの正しい服用方法|2-1-1ルールを徹底解説

梅毒・クラミジア・淋菌の検査も定期的に

PrEPを服用している間は、HIVだけでなく、梅毒・クラミジア・淋菌といった性感染症(STI)も定期的な検査でチェックすることが大切です。日本エイズ学会の手引きでは、PrEP使用者の状況に応じて、以下のようなSTI検査の頻度を推奨しています。※

対象者検査頻度の目安
PrEPを使用しているすべての人・PrEP開始時
・その後は6か月ごと
感染のリスクが高いMSMとトランスジェンダー女性・PrEP開始前
・その後は3か月ごと

これらの性感染症は症状が出ないことも多く、気づかないうちにパートナーにうつしてしまうことがあります。定期的な検査で早期発見・早期治療につなげることが大切です。※

リスクのある行為の後はいつ検査を受ける?

感染してから検査で検出できるようになるまでには期間(ウィンドウ期間)があるため、リスクのある行為の後は、検査を受ける時期と再検査が大切です。

米国CDCは、行為の後に受けた検査で陰性だった場合でも、その検査のウィンドウ期間が過ぎてから再検査を受けることを勧めています。※

HIVは約1か月で検査でき、3か月過ぎてからもう一度

厚生労働省のHIV検査Q&Aでは、抗体検査では約1か月あれば抗体が検出されてくるため、その時点で検査しても意味がないことはないとしています。ただし、きちんと陰性を確認するためには、3か月過ぎてからもう一度HIV検査を受けることが勧められています。※

検出できるようになるまでの期間は、検査方法によって異なります。

■主なHIV検査とウィンドウ期間の目安

検査方法ウィンドウ期間
HIV抗原抗体検査
(静脈血)
18~45日
迅速抗原抗体検査
(指先血)
18~90日
NAT(核酸増幅検査)10~33日

出典:米国疾病予防管理センター(CDC)※

表のように、検査方法によっては感染から検出まで最大90日かかる場合があります。そのため、1か月後の検査で陰性でも、3か月過ぎてからもう一度検査を受けましょう。

梅毒は1か月後にも検査を

日本性感染症学会の梅毒診療ガイドは、梅毒が疑われる場合、見逃しを防ぐため、できれば1か月後にも検査することを勧めています。※

また、梅毒は「感染しているのに無症状だったり、症状が軽くて病気であることを自覚していない人」から感染します。※ ご自身に症状がなくても、心配な行為があった場合は検査を検討してください。さらに、活動性の梅毒と診断された場合は、HIV検査も受けることが勧められています。※

72時間以内ならPEPを検討

HIVに感染したかもしれない行為から72時間以内であれば、「PEP(ペップ)」という予防法があります。PEPとは「曝露後予防(Post-Exposure Prophylaxis)」の略で、感染の可能性があった後に抗HIV薬を28日間飲む方法です。

PEPで重要なのは、できるだけ早く飲み始めることです。米国CDCのガイドラインでは、以下のように示されています。※

  • 開始期限:行為の後、できるだけ早く、遅くとも72時間以内に開始する
  • 服用期間:28日間

不安な状況になったら、できるだけ早くPEPに対応している医療機関にご相談ください。服用後も、行為から4〜6週後と12週後にHIV検査を受け、感染していないことを確認します。※

定期的な性病検査を受ける方法

定期的な性病検査を受ける方法

性病検査(性感染症検査)は、保健所、医療機関、そして自宅で使える検査キットという主に3つの選択肢があります。性感染症は無症状のことも多く、治療しなかった場合、不妊の原因となったり、深刻な合併症や後遺障害を残したりすることもあります。※

それぞれの検査方法には特徴があるため、「何を優先したいか(匿名性、費用、検査項目、利便性など)」をご自身の状況と照らし合わせて選びましょう。

検査の種類や受診先、陽性だった場合の対応までの流れは、次の記事にまとめています。
>>性病診断の流れと費用|検査の種類・受診先・陽性後の対応を医師が解説

保健所:無料・匿名で受けられる

保健所では、HIV検査を無料・匿名で受けられます。※ 検査できる項目や注意点について、以下に整理します。

  • 検査項目
    • 保健所や自治体の検査所では、名前や住所を知らせなくても無料でHIV検査を受けられます。※
    • 梅毒、クラミジア、淋菌なども一緒に検査できる保健所がありますが、検査項目は保健所によって異なり、一部有料の場合もあるため、事前の確認が必要です。※
  • 利用時の注意点
    • 予約が必要な保健所があります。事前に確認しましょう。※
    • 症状がある場合や、パートナーの感染が明らかな場合は、病院やクリニックへの受診がすすめられています。※

医療機関:症状があるときやクラミジア・淋病の検査

すでに症状がある場合は、医療機関を受診しましょう。

医療機関では検査結果を見て、スムーズに治療が受けられます。※ 性感染症の多くは治療できますが、早期に治療しなければ合併症や後遺障害が残る可能性があるものもあり、早期発見・早期治療がとても重要です。※

どの科を受診すればよいか分からない場合は、以下の目安を参考にしてください。※

  • 主な診療科
    • 性病科、感染症科、泌尿器科、婦人科
  • 症状に応じた診療科
    • 皮膚に症状がある場合:皮膚科
    • のどに症状がある場合:耳鼻咽喉科

クラミジアや淋菌の検査は、医療機関で受けることができます。※

かぐやクリニックの4種検査キット:HIV・梅毒・B型肝炎・C型肝炎を自宅で確認

自宅で定期的に確認したい人は、かぐやクリニックの4種検査キットが選択肢になります。キットは自宅に届き、同梱の器具で指先から採血して、その場で検査します。返送は不要で、約15分で判定ラインを目で見て確認できます。

検査できる4項目

  • HIV
  • 梅毒
  • B型肝炎
  • C型肝炎

厚生労働省は、梅毒などの性感染症に加えて、HIV・B型肝炎・C型肝炎も性的接触によって感染する可能性のある感染症の例として挙げています。※ PrEPを服用している人は、手引きで示された定期的な検査を受けることが前提です。

⚠️ 注意

ただし、このキットではクラミジアや淋菌の検査はできません。これらの検査や、何らかの症状がある場合は、医療機関を受診してください。

まとめ

性病検査を受ける頻度は、決まったパートナーの有無や性行為の状況によって変わります。

米国CDCは、13〜64歳は少なくとも1回HIV検査を受けることを勧め、複数のパートナーがいる人や男性と性交渉をする男性には、少なくとも年1回の検査を目安として示しています。PrEPを服用している人は、少なくとも3か月ごとのHIV検査が前提です。

性感染症は自覚症状が出ないことも多く、気づかないままパートナーにうつしてしまうことがあります。症状がなくても定期的に検査を受けましょう。保健所や医療機関のほか、かぐやクリニックの4種検査キットならHIV・梅毒・B型肝炎・C型肝炎を自宅で確認できます。

参考文献

  1. Getting Tested for STIs(米国疾病予防管理センター CDC)
  2. Getting Tested for HIV(米国疾病予防管理センター CDC)
  3. STI Screening Recommendations(米国疾病予防管理センター CDC「Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines」)
  4. 日本におけるHIV感染予防のための曝露前予防(PrEP)利用の手引き 第2版(日本エイズ学会)
  5. クラミジア、淋菌、マイコプラズマ・ジェニタリウム(尿道・子宮頚管炎、咽頭・直腸感染)(国立健康危機管理研究機構 国立国際医療センター エイズ治療・研究開発センター「HIV感染症とその合併症 診断と治療ハンドブック」)
  6. HIV検査を考慮すべき状況(国立健康危機管理研究機構 国立国際医療センター エイズ治療・研究開発センター「HIV感染症とその合併症 診断と治療ハンドブック」)
  7. About Syphilis(米国疾病予防管理センター CDC)
  8. 梅毒診療ガイド(第2版)(日本性感染症学会)
  9. 性感染症(厚生労働省)
  10. HIVとエイズ(厚生労働省)
  11. HIV検査相談マップ/性感染症検査・相談マップ(厚生労働省)
  12. Antiretroviral Postexposure Prophylaxis After Sexual, Injection Drug Use, or Other Nonoccupational Exposure to HIV — CDC Recommendations, United States, 2025(米国疾病予防管理センター MMWR Recommendations and Reports Vol.74 No.1)
  13. Sexually transmitted infections (STIs) Fact sheet, 10 September 2025(世界保健機関 WHO)
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この記事を書いた人

福岡大学医学部卒業。日本救急医学会救急科専門医、日本集中治療医学会集中治療専門医、臨床研修指導医。救急・集中治療領域での豊富な診療経験を持ち、現在はクリニック院長として外来診療にも従事。HIV・性感染症をはじめとした医療情報分野の監修も行っている。

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